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「世界と日本のカエル大図鑑」
監修 松井正文 写真・文 関慎太郎
発行:PHP研究所 発行日:2006年2月14日 第1版第2刷
  世界には何種類のカエルがいるかご存じだろうか。両生類の系統と分類に関する研究の権威である松井正文京都大学教授によると、5858種(Amphibian Species of the World,2010年7月31日現在/両生類誌NO.21より)。
  同図鑑はその松井博士監修により、動物写真家の関慎太郎氏の写真で世界のカエル156種類と日本のカエル全43種類(外来種を含む)を紹介している。
  カエルに興味がなければ、たぶん絶対にお目にかかることのない世界のカエルたち。しかし、この図鑑でその一部でも見てみると、木の葉に似ているコノハガエル、つかまえるとニンニクに似た臭いを出すニンニクがエル(姿もニンニクっぽい)、青果店の店先に並んでいたらトマトとまちがえそうなトマトガエル、頭がかたくヘルメットのようだからと名づけられたヘルメットガエルなど、彼ら自身が意図したかしなかったかわからないが、思わず笑いを誘うユニークなカエルが多い。
  こうした珍しい世界のカエルたちは日本でも水族館やペットショップで見られることもある。が、とりあえずは同図鑑でその存在を知り、カエルの世界への理解を深め、興味が湧いたら海外旅行先でもその地域にどんなカエルが棲息しているかチェックしてみれば、カエルがいかに大海を知っているか認識を新たにするのではないだろうか。
  それだけではない。日本のカエルが43種類(日本だけにみられる固有種だけだと38種類)というのも、狭い国土の割には多いといえるようなのだ。もちろん、特に南西諸島に多くの種類が棲息しているという片寄りはあるが、それにしても本州に住んでいても自分たちの周囲の自然環境に10種類以上jのカエルが棲んでいることに気づいている人は少ないのではないだろうか。
  ぜひ一度ページをめくってほしい図鑑である。

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