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「エルカの旅日記 ふしぎな京都を歩く」
文・イラスト・写真 西村絵留香
実業之日本社
京都で生まれ育った西村絵留香(にしむら・えるか)さんの文・イラスト・写真で構成された京都観光案内の本。本名かどうかはわからないが、名前の絵留香は逆から読むとカエル。本の中にはクリッとした目が印象的なイラストのカエルが、京都の風景や風物、歳時記をイラストや写真で表現するなかに出し惜しみなく登場する。カエル好きかつ京都好きにはまさにたまらない1冊。
京都の観光案内なら雑誌から書籍まで数え切れないくらいたくさん出版されているだろう。えてして京都の旅ほど魅力的なものはないが、同時にむずかしいものもない。それはご存知、1200年の歴史をもつ京都は、その歴史の背景を知らなければ本当の面白さは見えてこないからだ。だからといってがむしゃらに歴史本を読んで知識をつけても現在の京都を楽しめるとは限らない。
初心者でも京都の旅をその歴史も含めて身近に感じる方法は、地元に暮らす人で京都の歴史や文化に通じている人に案内してもらうことが一番である。この本はまさにそんな役割を担ってくれる。著者はプロフィールによると、京都造形芸術大学で日本画を学び、現在、デザイン事務所を経営。古都京都の歴史と文物の研究を通して、日本の伝統美の世界を現代に復活させ、再構築していこうとするグループも立ち上げている。
同じ神社仏閣・名所旧跡でも、史実に基づきつつ、地元の人がそこでどんな時間を過ごし、生活のなかでどんな言い伝えを信じてきたのか、友だちに語るように伝えてもらうことで、京都はグッと身近になる。
この本は京都だけでも得られそうなご利益がカエルでさらに倍増するかもしれない、今までありそうでなかった京都のガイドブックである。

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