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「育てて、しらべる日本の生きものずかん2 カエル」
福山欣司 監修 前田憲男・安東 浩 撮影 Cheung※ME 絵
集英社
集英社が発行する小学校低学年向きの「育ててしらべる日本の生きものずかん」の第2巻。オビに「絵本みたいにたのしくよめる。」とあり、その言葉どおり大人と子どもが一緒にカエルという生き物についておしゃべりしながら読んでも楽しそうな図鑑である。
最初に、日本人に最もなじみの深いアマガエルを通して、カエルの生活環境や体のつくりがわかる。そして南北に長い日本列島には意外にたくさんの種類のカエルがすんでいること、そのカエルたちは暮らす環境に合わせるように、いろいろな特徴をもっていることなどが紹介される。
あわの卵を産むカエルといえばモリアオガエルが一般にも知られるが、他の種類にもいること。“山派のカエル”もいれば、“川派のカエル”もいる。泳ぐのが得意なカエルもいれば、そうでないカエルもいる。同じ日本に棲息しているカエルもいろいろなタイプがいることがわかってくる。
また、カエルは自然の風景のなかに溶け込んで、カエルを食べる天敵に見つからないように生きている。それを示す写真は、撮影のみごとさで隠れているカエルを見つけたときの喜びも大きい。
人間同様カエルも、食べて、危険から身を守って、うんちをして、恋して歌って生きている。
知っていそうで意外に知らないカエルについて、その基礎知識が楽しく学べ、自然観察や飼育の予習に親子で読むことをおすすめしたい一冊である。

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