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「世界カエル図鑑300種」
クリス・マチソン 著 松井正文 監修・訳
ネコ・パブリッシング
同図鑑発行時(2008年)の最新の統計によれば、世界に両生類はイモリとサンショウウオ(有尾目)が約550種、アシナシイモリ(無足目)が173種、そしてカエルとヒキガエル(無尾目)が5,400種いるとされている。
そのうちのカエルとヒキガエル300種を、ほぼ1種につき見開き2ページで写真と解説、データで紹介しているのがこの図鑑である。
世界にはいろんな人がいるように、カエルもまたいろいろいる。思わず食べたくなる名前のカエルもいる。パセリガエル(ヨーロッパ)、バナナがエル(南及び東アフリカ)、トマトガエル(マダガスカル北東部)など。確かに名前の食材を彷彿(ほうふつ)とさせるルックスである。
人を笑わせようとしているとしか思えない顔つきのカエルもいる。カメガエル(亀のマネをしているみたいだけど、やっぱりカエル/西オーストラリア)、カンムリガエル(頭が大きく、とげ状の突起がまるで王冠。体の模様も王さまのガウンのように格調高く見える/中米)、チャコバゼットガエル(カエルは目が離れているという先入観で見ると、目がくっつき過ぎていて何かヘン/南米)など。
おもしろい生態のカエルは、アベコベガエル(英名Paradoxical Frog。オタマジャクシが親よりずっと大きい。/ベネズエラ、パラグアイなど)、ダーウィンハナガエル(英名Darwin‘s Frog。オスがオタマジャクシを口の中に入れて運び、“父乳”で子育てする。/チリ、アルゼンチン)、ワラストビガエル(トビガエルは完全にみずかきが張った手と足とその下の皮ふが高い枝からジャンプするときにパラシュート状になる。/マレー半島)などがいる。
井の外で大海を知れば、いろんなカエルたちと出会うことができそうだ。

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