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「十人十色なカエルの子」
落合みどり 著 宮本信也 医学解説
東京書籍
本書は全般にわたってカラフルなカエルのイラストを満載。だが、カエルの生態が解説されているわけでも、カエルが主人公の絵本というわけでもない。子どもの学習障害、自閉症、アスペルガ−症候群、ADHDなど発達障害全般について語られている。現在、教育のあり方が社会全体の関心ごととして注目されるなか、この本は子どもの心や理解力の発達が決して一様ではないことを「十人十色のカエル」として解説する。著者の落合みどり氏は、自らが乗り越えた発達の問題のひとつであるアスペルガー症候群の体験を基に、現在、発達障害のある子どもたちの療育と相談を行っている。自分が他の「カエル」と違っていると感じる子どもやその親に向けて、また、周囲に他の「カエル」とは異質な行動をとる子どもに気づいた大人に向けて、本書ではお互いの“違い”を認め合う社会の到来を呼びかけている。(カエルタイムズ9号掲載)
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